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月輪観

月輪観

月輪観法』。

定式のやり方もありますし、数息観や阿息観と一緒にやる、あるいは座法、「阿字観」との関係など、
突っ込めば色々と突っ込んでいけますが、まぁ、この際そういうことは忘れましょう。

お月さん。

満月の。

そのお月さんを縁として、この私の心の本質と菩提心とは同じものなんだ、ということ。
菩提心ってのは、まぁ、「さとりの心」「さとりを求める心」、色々と言われるけど、
ここでは「さとりの心」「仏のいのち」「仏性」「法性」…まぁ、
「でっかい、大きな、全部を包み込む智慧と慈悲と光いっぱいの、仏さまの心」と思ってください。
その心は、実は「この私の心と同じ」ということ、それを実感するための観法が、月輪観です。

とっても、シンプル。

シンプル過ぎて拍子抜けしますか?

まぁまぁ、まず、仏さまに礼拝してみましょう。

あれ、ご本尊…?

あー、「月輪観本尊」というものがあります。黒地に白い丸の描いてあるもの。

ない?

あぁじゃあ、仏壇の前で良いですよ。

んで、イメージしてください。

目の前2mくらい先、目線よりちょっと下に、真っ白い丸がある…と。

ホンモノの月をイメージできるなら、それでもいいですよ。

いっそ、満月のお月さまの下でやってもいいかもね。

まぁとにかく、そうやって、本尊に対して、礼拝です。

おん さらばたたぎゃた はんなまんな のうきゃろみ 
おん さらばたたぎゃた はんなまんな のうきゃろみ
おん さらばたたぎゃた はんなまんな のうきゃろみ

これは、すべての如来の御足を礼拝し奉ります、という意味です。
そうして、三度、礼拝します。

そして、ゆっくりと座ります。
椅子でもいいし、正座でも、座禅みたいな座り方でも、とにかく楽に。
出来たら、背中が伸びるような座り方を。

で、お腹の前で、軽く円を作って…そう、座禅のアレです。

そして、

「我、自心を見るに形月輪の如し、如何が故に月輪を以って喩とするならば、
謂く、清月自明の体は、即ち菩提心と相類せり」…と思いを定めます。
つまり、「私の心はお月さまのようだと考えます。
何故かというと、それは菩提心・仏性と似た姿をしてるから」…と。

で。

ここが私のやり方のミソですが、興教大師覚鑁の「月の十徳」を使って、観想…瞑想します。
「月の十徳」というくらいですから、十の文章があります。
観想では、全部は使いません。どれかひとつです。
どれを使うかは自由です。毎日順番にやってもいいし、十面体サイコロを使っても結構。
決め方は自由です。

姿勢はそのまま、手もそのままで。

以下の十。

一、円満 月の円満なるが如く、自心も欠くることなし。
二、潔白 月の潔白なるが如く、自心も白法なり。
三、清浄 月の清浄なるが如く、自心も無垢なり。
四、清涼 月の清涼なるが如く、自心も熱を離れたり。
五、明照 月の明照なるが如く、自心も照朗なり。
六、独尊 月の独一なるが如く、自心も独尊なり。
七、中道 月の中に処するが如く、自心も辺を離れたり。
八、速疾 月の遅からざるが如く、自心も速疾なり。
九、巡転 月の巡転するが如く、自心も無窮なり。
十、普現 月の普く現ずるが如く、自心も遍く静かなり。

どれかを選んで、好きなだけ、月と自分の心を交流させてください。
月は、仏さまのいのちです、心、光です。

暫くしましたら、次は、その月と自分の心をひとつにして、大きく大きくしていきます。
宇宙いっぱい。

小さく小さく、胸の中に宇宙ぜーんぶを収めてください。

また大きく大きく、小さく小さく…。

これを広斂観と言います。

姿勢はそのまま、手もそのままですよ。

そして最後に自分の胸にすべてを収めて…光いっぱいになりましょう。

それからゆっくりと、「光いっぱい」の仏さまのマントラを唱えましょう。
三遍、あるいは七遍。

光明真言でもいいです。おんあぼきゃべいろしゃのう…。
阿弥陀小呪でもいいです。おんあみりたていぜいからうん。
六字名号でもいいんです。南無阿弥陀仏。

え、なんで阿弥陀さん?

無量光如来と言うのですよ!

手は「合掌」もしくは「定印」等々。

私は往生呪。これも「無量光」の真言。

さあ、そうして最後に、

おん さらばたたぎゃた はんなまんな のうきゃろみ 
おん さらばたたぎゃた はんなまんな のうきゃろみ
おん さらばたたぎゃた はんなまんな のうきゃろみ…

…。

あれ、何も変わった感じがないなー、って。

それでいいんです。

この観法は、ちょっとずつ、仏さまに近づく自分の心を整理するためのものだから。
というか、仏さまの心を、自分の心のなかに発見するための環境づくりのものだから。

真剣にやったら、これだけで「仏さまに、あなたはなれます」けれど、
なれなくたって、全然、構いません。
そういうことじゃなくて、まず「落ち着け、自分」と、そうやって、自分自身を静めて、
大きないのちと自分とが連結していると、そう「信じる」ための第一歩の行です。

だから、とりあえず、変わらなくてOK。

そのうち、ちょっとずつ、変わるから。

ありがとうございました。

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